茨城県利根町布川で1967年に起こった大工殺害事件で、18年服役した桜井さんと杉山さんの再審が始まる − ウェブテレビニュース 2008年7月19日



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茨城県利根町布川で1967年に起こった大工殺害事件で、18年服役した桜井さんと杉山さんの再審が始まる− ウェブテレビニュース 2008年7月19日


東京高裁(門野博裁判長)が、布川(ふかわ)事件の水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却する決定を下した 
 これにより布川事件の再審が始まることになった

布川事件とは、1967年(昭和42年)8月、茨城県利根町布川で独り暮らしの大工の志村象天さん(当時62歳)が自宅で殺され、現金11万円が奪われた事件
茨城県警は別件の窃盗容疑で逮捕後、目撃者の証言などから、2ヵ月後に桜井昌司さん(現在61歳)と杉山卓男さん(現在61歳)を強盗殺人容疑で逮捕した 
 2人は捜査段階で自白し、公判で否認に転じたが1970年に水戸地裁土浦支部で無期懲役を受け、1978年(昭和53年)に最高裁で刑が確定した
 1983年(昭和58年)に再審請求したが退けられた 18年間の服役後、1996年(平成8年)に仮釈放された
2001年(平成13年)に第二次再審請求をして、2005年に水戸地裁土浦支部が再審開始を決定したが検察側が即時抗告していた

東京高裁(門野博裁判長)は

1、2人を被害社宅付近で目撃したという近隣住民の証言には信用性が無い
2、現場から2人の指紋や毛髪が発見されていない
3、自白からしか判明しない「秘密の暴露が存在しない
4、自白の録音テープに編集跡があったことから「自白には取調官の誘導がうかがわれる」
5、弁護側証人の医師の意見書を採用し「2人の自白にある下着を口に詰めて、手で首を絞めたのではく、ヒモのようなもので首を絞めた後、下着を口に入れた」と認定
6、2人を有罪とした確定判決の事実認定には合理的な疑いが生じている

などの理由を上げ、検察側の即時抗告を棄却した 決定には捜査への不信感がにじみ出ており、検察側主張をことごとく否定した

再審請求を支援してきた日本弁護士連合会の宮崎誠会長は「別件逮捕や代用監獄での自白など冤罪事件の典型 取調べの可視化(全面録画)や証拠の全面開示に向けて
全力を尽くす」と語った

●布川事件(ふかわじけん)の時系列表


1967年(昭和42年)8月 茨城県利根町布川で独り暮らしの大工の志村象天さん(当時62歳)が自宅で殺され、現金11万円が奪われた事件が発生
1967年(昭和42年)10月 茨城県警が別件の窃盗容疑で逮捕した桜井昌司さん(現在61歳)と杉山卓男さん(現在61歳)を志村象天さん強盗殺人容疑で逮捕
1970年(昭和45年)2人の容疑者が水戸地裁土浦支部で無期懲役の判決を受ける
1978年(昭和53年)最高裁で無期懲役刑が確定した 最高裁が自白テープを「体験しなければ供述できないことを具体的に矛盾せず、供述しているとうかがわれる」と評価
1983年(昭和58年)再審請求したが退けられた
1996年(平成8年) 仮釈放された
2001年(平成13年)第二次再審請求
2005年(平成17年)水戸地裁土浦支部が再審開始を決定したが検察側が即時抗告していた
2007年(平成19年)2月8日 東京高裁で検察側が証拠として提出した自白テープを法廷で放送、弁護側の専門家が10ヶ所以上の編集跡を指摘
2008年(平成20年)東京高裁が、検察の即時抗告を棄却 

ノンフィクション作家の伊佐千尋さんはこの事件を題材に「舵のない船」という小説を書いたが、この事件について
「記録を読めば、素人でも有罪を証明する証拠がないと分かる 見込み捜査、自白の強要、裁判官の判断ミス、、、、冤罪の構図は今も昔も変らない 」と語っている

東京高裁の決定後、逮捕・服役した桜井昌司さん(現在61歳)は
「自白で有罪にする裁判はやめてほしい」と語っている

この事件のポイントは、検察側が提出した2人の自白テープに編集跡が見受けられたこと、東京高裁は「録音は2時間10分も中断されていた 
殺害への関与を否定していた桜井さんが、中断後には首を両手で絞め現金を奪ったことも認めている」と不自然さを指摘した

来年から導入の裁判員制度に向けて、いろんな論議がされているが、証拠を編集して提出されればプロの裁判官でも騙されたわけだから、素人の裁判員が
そのウソを見抜くことはまず不可能だろう この事件から考えられることは日弁連が主張するように「取調べの一部録画ではなく全面録画が必要」ということだろう

また近隣住民の証言や被害者の証言というのもというのも実際には怪しげな証言も多く、富山強姦冤罪服役事件の研究でも被害者の証言から逮捕された男性の無罪が確定している
人間の記憶というのも、あいまいなもので捜査員などに強く誘導されると、誤った証言をすることも実際には多いようだ 目撃証言や自白に頼らない捜査が必要だろう

この布川事件は、典型的な冤罪事件として、今後ともその行方に大いに注目していくべき事件だろう

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