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京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授が、人の皮膚細胞から、あらゆる細胞に分化できる「万能細胞」を作ることに世界で初めて成功した
2004〜2005年には韓国で初めてノーベル賞を貰う学者が期待されていたソウル大学のファン・ウソク教授が人の体細胞を使って作成に成功したと
発表したが、後に捏造がばれて退職した事件もあった
今回の山中教授の研究は、成人の皮膚細胞に同じ4つの遺伝子を導入し、人の万能細胞を作ることに成功した アメリカの科学誌セル(電子版)に発表した
同じような研究がアメリカのウイスコンシン大学の研究チームが胎児などの皮膚細胞を使って「万能細胞」を作ることに成功し、こちらはサイエンスに発表した
山中教授らは、やはり「万能細胞」として知られる胚性幹細胞(ES細胞)の中で重要な働きをしている4個の遺伝子に着目、30歳代の白人女性の顔から
採取した皮膚細胞(研究用市販品)にウイルスを使って1ヶ月培養したところ、ヒトES細胞と見かけが同じ細胞が出現した
培養条件を変えることにより、この細胞が神経細胞や心筋細胞などに変化できる人工多能性幹細胞(IPS細胞)だと確認した
作成効率は皮膚細胞5000個につき1個で臨床応用するのには十分だと説明している
課題は、使用する4遺伝子のうち1遺伝子はガン遺伝子であることから、発ガンの危険性があることだが、この点について山中教授は代替手段のめどが立ちつつあるとしている
京大の研究もウイスコンシン大学の研究も4遺伝子を使うという点では同じだが、4遺伝子のうち2遺伝子はそれぞれに違う
このIPS細胞はES細胞と違い、作成に人の受精卵や卵子が不要なため、倫理問題を回避できるというのが最大の利点であるが、一方、このIPS細胞は
精子や卵子を作れるため、自分と同じ遺伝子を持つ人間(クローン人間)を作ることが原理的に可能なため、新たな生命倫理上の懸念も生じているようだ
いずれにしても、今回のIPS細胞は人の皮膚細胞を使うため、例えば肝臓病の患者の皮膚細胞を使ってIPS細胞を作り、肝臓にまで成長させ、出来た人工肝臓を
患者の肝臓と交換するというようなことも可能になってくる 腎臓や心臓などの他の臓器でも理論上は可能だ
人工臓器の製造まで大きな進歩を遂げたわけだが、この研究の成功から急ピッチで技術の進歩が予測できる
ドイツのハイデルベルグに本拠を置くDKFZドイツがん研究センターは、がん研究に成果を挙げた人物に与えるマイエンブブルク賞を山中伸弥教授に与えると発表した
ちなみに、2006年のノーベル医学生理学賞を受賞したアメリカ・スタンフォード大学のアンドルー・ファイア教授も2002年に同賞を受賞している
画期的な研究成果である京大の山中伸弥教授によるIPS細胞の製造だが、今後、急ピッチで研究が進み、人工臓器の製造まで技術が進歩することだろう
難病に苦しんでいる人も多い中で、不良臓器の交換による治療というようなスタイルも近いうちに実現しそうな情勢のようだ まさに現代医学の勝利ともいえよう
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